今回の地震で家の土壁が大量に落ちました。障子などの建具も壊れました。それをゴミとして捨てるのに抵抗があります。
こんな話を聞いたことがあるんです。世界遺産に認定された島根県の石見銀山には美しい町並みが残っているのですが、家々は当然リフォームされています。壁の塗り替えもしている。この壁の塗り替えのとき、前の土壁を砕いてまた使ったのだそうです。何故なら前の土壁にはそれが土壁になった日から住み着いた微生物が生きているから。昔の町並みを生かすということはその微生物を殺さないこと。私はこの話にすごく感動しました。
私の家の土壁は、私が作っている囲み堆肥に入れ、土に還してあげようと思っています。壊れた建具は風呂用の炊き木にしようと思っています。障子や戸棚を燃やしてお風呂に入るのには多少抵抗があります。でも町指定の瓦礫集積場に出し重機でぐちゃぐちゃにされるよりはましなのではないか。建具の痛みを自分に入れる、建具のお陰で何十年も暮らしてこれたことの恩を体に記憶しておきたいと思うのです。
マスコミが「瓦礫の山」と津波に襲われた後の様子を表現することにとても抵抗がありました。
確かに瓦礫になっちゃってるけど、もともと、思い出、思い入れのたくさん詰まった家であり
会社であり、建物であり、個人の所有物だったのに…と。
写真は丁寧に回収されているという話で少しほっとする思いでしたが。
海水を浴びてしまった津波被害の大きかった場所の元家や元建物は土壁のなかに
一緒にいれることは難しいとは思いますが…。
瓦礫処理と呼び表されることにとても心が痛むのでした。
この記事をまたブログにて紹介させていただきました。
後からのおことわりで申し訳ありません。