田植え、終る(22日編)
22日(日曜日)は朝から小雨が降る天気。学生クンたちに気後れがあってはならないと思い、率先して田んぼに入りました。しかし、春の雨は容赦なく体温をさげていきます。途中からゴムがっぱを着ました。かっぱ一枚でも随分温かくなるものですね。ただ、なかは濡れてしまったシャツのままなので、ちょっと動くのをやめるとすぐ体が冷えます。体温のあがり下がりをくりかえしているうちに風邪をひいてしまったようです。
「手植え」は、田んぼに碁盤の目のように“オサ”を引いていき、縦ヨコが交差するところに苗を植えていきます。そのオサが雨に打たれ、あっという間に消えてしまいます。前を見、横を見、交差するところを想像しながら植えていくのは大変です。はかどらないし、やる気がそがれてしまう。でも、一緒に植えている左右の人が進んでいくので、つられて、なんとか植えていくことができる。なんにも考えなくとも飛んでいけるまんなかへんの雁とでもいうか…。協同作業の面白いところです。
小昼(こびる)のことをこのへんでは「たばこやすみ」といいます。たばこやすみに出してもらった黒糖とショーガ入りのルイボス茶には体が温まったなあ。そうそう、marumaruさんが作ってくれたチヂミも美味しかった。田植えはハレの行事で、大勢の人が、田植え歌をうたったり猥談をしながら、にぎやかに、重労働がそう感じないように昔から工夫されてきたのではないかなあ。山菜の煮付けやセリのおひたしが重箱いっぱいに詰められ、それを(あぜに腰掛け)大勢でついばむ風景が40年前まではありました。田んぼ十枚ぶんを一枚にした巨大な田んぼを、機械を使い、2〜3人で植える。たばこやすみには缶珈琲。日本農業は、なぜにそれを良しとする方向に進んだのでしょうか?
昼12時を少し回ってしまったけど、なんとか植え終わりました。昼食は三浦農園メイドのフェジョンで作ったフェジョアーダ。ブラジルの黒豆に豚のバラ肉やソーセージをまぜて煮込んだものをライスにかけて食べます。脇に添えられたモーリョが豆の味をひきたてて絶品でありました。みんな“おかわり”をしていました。
コーヒーをいただきながら、「夕べは楽しかったねえ」「濃い二日間だったねえ」と感想をのべ、さらに雑談し、午後三時頃に解散しました。
秋には、自分で植えた苗を収穫しにきてください。それをまたみんなで食べましょう。